第126章

言葉は痛かったが、ガブリエルが自制しているのは見て取れた。なにしろ今日はセリアの誕生日パーティーで、彼はシンクレア家の代表としてここにいる。どれだけ腹が立っていようと、家名に泥を塗るような真似はしないはずだ。

「シンクレアさん」

会話の途中、背後から胸焼けがするほど甘ったるい声が飛んできた。

眉をひそめて振り返ると、深いⅤネックのドレスをまとった女がガブリエルへ向かって歩いてくる。ガブリエルの顔を見るかぎり、当人は完全に困惑していて――相手が誰なのかさっぱり見当がつかない、といった様子だった。

最悪。たぶんガブリエルがどこかで口説いた女で、本人はそのことすら覚えていないのだろう。

「...

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